不動産投資で「物件を売却するタイミング」はどのように考えるべきか?
不動産投資は効率よく家賃収入を得るために、物件の選び方が重要視されていますが、その物件をいつ売却するかという「出口戦略」も重要です。
不動産を運営していく以上、物件の購入から売却までのプランニングを固めておくことで「売却をしたいのに買い手が見つからない……」というリスクを軽減させることができるようになります。
そこで今回は不動産投資をしていく上で「売却のタイミングはどういった時期なのか」をご紹介します。
不動産売却を検討すべき「3つのタイミング」とは?
不動産を売却する際にオススメのタイミングは3つあります。まずは購入してから「5年後」、次に「10年後」、そして「15〜20年後」です。それでは何故この3つのタイミングがお勧めなのでしょうか?
●物件を購入して5年後の売却
まず最初の節目が「物件購入後5年」というラインです。購入して5年以内の物件を売却すると「短期譲渡所得」というものが適用されます。これに該当した物件は所得税が30%、住民税が9%課税されますが、物件購入から5年経つと短期譲渡所得から「長期譲渡所得」に切り替わり、税率が軽減されるようになるのです。
長期譲渡所得に該当する物件を売却した場合、所得税は15%で住民税は5%となります。短期譲渡所得の形式で保有している物件と比べると、ほぼ半分の税率で売却できると言っても過言ではないでしょう。
このため保有している物件が問題なく利益を生み出せているのであれば、5年間は保有しておいた方が支払う税金が少なくて済むのです。開業を目指した資産形成を目的としている場合、こうした短期での売買によるメリットは大きいと言えます。
●物件を購入して10年後の売却
物件を購入して10年を迎えてから物件を売却する方も少なくありません。この時期はちょうど物件の「修繕費」が大きくなり始める時期のため、「購入してから10年」を節目として売却するケースもあります。
例えば外壁の塗装やヒビ割れの補修工事など大掛かりな修繕を行う必要性が高まるのですが、こういった修繕には壁紙の張り替えなどの一般的なものより多くの費用がかかります。このため大掛かりな修繕でかかる費用をかけずに済むため、高い利益を得やすい傾向にあるのです。
●物件を購入してから15〜20年後の売却
物件を購入してから15年経つと元利均等返済方式の場合、不動産事業の経費に含まれていたローン返済利息分が減少することで、投資家の収益が増え、それに対する課税が増えてしまいます。つまり本来の不動産投資の節税効果が薄れてしまうことから、この時期に売却を検討し始める方が増えるのです。
また木造物件の場合は減価償却期間が約20年で満了となるものもあるため、減価償却費を経費として計上することができなくなることから節税効果が薄れてしまいます。物件の購入から15年〜20年前後になると「節税」という観点から不動産を売却する方もいらっしゃるのです。
将来的に独立開業を考えていたり、子どもの教育費のために不動産投資を始めた方もいらっしゃるとおもいます。しかし売却を想定していたタイミングでご自身が高齢になっていたりすると、今度はその不動産を保持していることが利益になるかもしれません。不動産投資は出口戦略まで視野に入れて行うべきですが、そのときご自身が医師としてどういったライフステージにあるのかということも考慮しておきましょう。