一棟マンション経営にはリスクがあるの?
少額の元本から始めやすい区分所有で失敗した経験から、一棟マンション経営を検討している方も多いかと思います。その反動もあっていわゆる一棟買いは、高利回りで魅力的に見えるかもしれません。しかしその特徴やリスクを把握しておかなければ、相応の損害を受けてしまう可能性があります。今回は一棟マンション経営の特徴とそのリスクについてご紹介します。
一棟マンション経営の特徴
一棟マンション経営は、初期費用が億を超えることも少なくないので、一般的に敷居が高い投資と言えます。ですが裏を返せば一定の元本を用意して、金融機関のレバレッジを掛けることができれば、競合投資家の少ない魅力的な環境です。
一棟マンション経営の特徴として、複数の部屋をまとめて管理できるため、単独の空室リスクに強いことが挙げられます。また、家賃設定や設備管理も自分の意思で決められるので、物件価値をコントロールしやすいのも特徴です。このような特徴から「上手にやれば安定収入が得られる、ローリスク。ハイリターンの不動産経営」という認識を持たれることもありますが、一棟買いにもその特性に応じたリスクが存在します。
一棟マンション経営のリスク
ではどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。次は一棟マンション経営のリスクをまとめます。
●メンテナンス・リスク
一般的にマンションは5年から10年ごとに修繕を行う必要があると言われています。区分所有で複数の物件を管理している方は、各物件の管理に追われたことがあるかもしれません。一棟マンション経営の場合回数こそ減りますが、一回当たりのメンテナンス代が高額になってしまいます。
逆に言えば、複数の物件を扱う区分所有と比べると修繕費用や設備投資を一括して行えるので管理が容易と言えます。本業が忙しい医師にとっては、一棟買いは管理の手間が少ないというメリットのある選択です。
●空室リスクと巨額のローン
費用面の課題をクリアして良い物件を押さえられたとしても、安心してはいけません。空室リスクは、1部屋単位でいえば区分マンション経営の方が高いと言えます。
しかし棟全体の空室が増えて家賃収入が減ると、残った巨額のローンに対応しなければなりません。一棟マンション経営は利回りが高く魅力的ですが、節税対策で始めた不動産投資でリスクを負ってしまう可能性もあります。物件を自由に管理できるメリットを活かして、内装や設備などで差別化を図って入居率向上を目指しましょう。
一棟マンション経営を検討している方も、しっかりとその特徴とリスクを把握している必要があります。投資の条件やリスクを把握して対処できれば、ローリスク・ハイリターンを実現できる経営方式です。特に医師にとっては、初期投資に対応できること、節税に利用できること、維持管理の頻度が少ないことといった特徴は相性がいい資産運用ではないでしょうか。