医師の不動産投資基礎知識:元利均等返済と元金均等返済の違いとは
一般的に住宅ローンを組む際には「元利均等返済」と「元金返済方式」という2つの方法があります。どちらも名前が似ていますが、投資方法によっては支払総額に大きな差があるのです。元利均等返済と元金返済方式には、それぞれどのような特徴があるのかをご説明します。また、この2つのどちらを採用すべきか悩んでしまわないように「注目すべきポイント」もご紹介しているので、ぜひ参考になさってください。
安定した返済ができる「元利均等返済」の特徴
元利均等返済は、毎月の支払総額が一定になる返済方法です。返済開始時は、毎月の返済額のうち金利の占める割合が大きい状態です。返済が進むにつれて元金支払残高が減るため、そこから発生する利息分は減少します。
元利均等返済のメリットとしては、毎月一定額を支払い続けるので安定した返済計画が立てられる点にあります。また後述する元金均等返済に比べると、返済開始時の返済額が少なく、初期費用を抑えられる点も特徴のひとつです。ただしデメリットとして、元金全体の消化が遅いため、最終的な返済総額が多くなってしまいます。
総支払額を抑えられる「元金均等返済」の特徴
元金均等返済では、元金の割合は一定で、毎月の支払額が変動します。ベースとなる一定の元金に、返済が進むにつれて右肩下がりになる金利が上乗せされるため、返済当初は多額、返済終盤には少額になるのが特徴です。
元金均等返済のメリットは、元金の減少が早い点にあります。元利均等返済と比較すると最終的な利息総額を押さえることができ、総支払額が少なく済むのです。デメリットとして、借入当初の毎月支払額が多く、キャッシュフローが激しくなってしまいます。
2つの返済方法を選ぶポイント
●ローン返済期間の長さ
長期ローンを組んだ場合、2つの返済方法の支払総額には大きな差額が生まれてしまいます。銀行に融資を受ける場合、最終的な利息総額が多くなる元利均等返済を勧めてくることがあります。しかし比較的元金の消化が早い元金均等返済の方が総支払額を抑えられるケースも多いので、安易な決定は避けるべきです。
ただし医師にとっては一概に損ばかりというわけではなく、元利均等返済でもボーナス払いや繰り上げ返済によって十分対応することができます。投資戦略と返済方法が適切かどうか、専門家の意見を参考にするとよいでしょう。
●利回りとキャッシュフロー
購入物件からあまり多くの利回りが期待できない場合、激しいキャッシュフローはリスクになってしまうため、元利均等返済を選択するのが無難です。ただし医師の収入ならば、キャッシュフローにも対応できるため、元金均等返済を選択する方も多いようです。
●物件の建物償却費
利回りが期待でき、どちらの返済方法でもキャッシュフローに対応できる場合には、建物償却費の金額に応じて判断します。経費として計上することのできる建物の減価償却費が多い場合、元金均等返済の方が節税効果が高いと言えます。
いかがだったでしょうか。
戦略的投資にはローンは不可欠ですが、借入方法によって大きな損金が発生してしまうこともあります。ご自身の投資戦略を見直し、信頼できる専門家との相談の上で判断することがリスクを減らす鍵だと言えます。